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特集 公衆衛生医師
新しい公衆衛生医師像を求めて
著者: 橋本正己1
所属機関: 1国立公衆衛生院
ページ範囲:P.292 - P.293
文献購入ページに移動しかしながら,第2次大戦後のドラスチックな社会環境と健康像・傷病像の質的な変化のなかで,公衆衛生活動はきびしい試練に当面してその真価を問われており,これは公衆衛生医師に対してもそのまま当てはまるものといえる.この事情は,発展途上国では異なっているが,先進的諸国では医師の専門分化が際限なく進んでおり,専門医は報酬や処遇においても一般医や公務員である公衆衛生医より遥かに有利であることも関連して,これらを志向する青年層の医師が激減していることは各国に共通している.これを克服するためにはもとより,身分,処遇,報酬,継続教育等を含む強力な総合対策が必須であるが,まずその前提として今日における公衆衛生医師の社会的使命と具体的な役割が,若い医師のこの分野への意欲をかき立て,医師のライフワークとして納得のいくよう明確にされることが何といっても必要である.
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