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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生37巻6号

1973年06月発行

文献概要

発言あり

母親の蒸発

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.361 - P.363

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過保護社会
 父が働き,母が家をまもり,子を育てる.それが人間形成に必要な基本的環境だと思つていた.社会の変動は父を無能にし,母を逞しくし,家庭の基礎を変えてしまった.母が強くなりすぎ,父親が蒸発した.母親が強くなったと思ったのは錯覚だった.女に孕らませれば父で,出産すれば母なのだ.家を考えず,子を思わない親では,蒸発はちっとも不思議ではない.
 夫の仕打ちに耐えかねて蒸発した母親が,「子供のことを一日も忘れませんでした」と涙ながらに語ったという記事のいかにそらぞらしいことか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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