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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生37巻6号

1973年06月発行

文献概要

特集 救急医療

災害時の救急対策—特に大地震などの災害に際して

著者: 二本杉皎1

所属機関: 1大阪赤十字病院

ページ範囲:P.409 - P.412

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 わが国は,地形・地質・気象等の関係から,自然の猛威をうけやすく,古来水害・地震・火災等の惨事が数多く経験されており,最近でも,年々数千億の財産と万余の人命を奪っている.特に日本列島は,火山帯の上にのっているともいえ,地震国としても,世界の最たるものである.一番われわれの記憶に残り,また悲惨であったのは,関東大震災であり,当時の東京の人口300万で,二次災害を含めると,死者は10万人近かったといわれている.地震は,全く予期しない時に,突然と起こってき,その罹災範囲も広く,道路,橋,家屋,電柱等がこわれたり,倒れたりするのは勿論のこと,一番こわいのは,激動による破壊などのため,火災が多くの地点から同時に発生し,それが燃え広がって,大火災となることである.そのため,交通が制約され,または遮断されることで,救急隊の到着も困難となり,患者搬送も困難になるなど,幾多の困難を,のりこえて,救急医療をしなければならない.かかる災害時においては,人心も動揺しているので,平素から救急医療体制を確立し,十分な訓練がおこなわれていなければ,いざ本番という時には,なかなか間に合わないことになる.大阪でも消防隊を中心に,震災時の救急体制について,検討を加えられているが,成案をうる迄には,大変な仕事のように聞いている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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