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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生37巻8号

1973年08月発行

文献概要

最近の話題から

魚介類の水銀暫定摂取量限度の発表

著者: 竹内端弥1

所属機関: 1女子栄養大学食品衛生学教室

ページ範囲:P.564 - P.565

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 先日(6月24日),各新聞,テレビを通じて,魚類の水銀暫定摂取限度なるものが厚生省から発表された.今回の発表は残留農薬,PCBなどの汚染物質の食品の許容基準とは趣きを異にし,一般の消費者にもよく理解して貰えるように魚種ごとに1週間何匹までという具体的な摂食指導が行なわれたのが特徴である.たしかに厚生省としては画期的な指導方法ではあった.しかし,一般の人たちにはそれ以上の魚を食べてしまったら発病をする可能性があるのかという不安を与えてしまい,国民を混乱にまきこんでしまった.
 これまでの対策 魚介類の水銀汚染は,熊本県水俣湾,新潟県阿賀野川についで,今年5月熊本県有明海で第三水俣病が発見されている.たしかに水銀に関しては,各地で汚染魚が検出され,すでに患者,死者が発生していたにもかかわらず,まだ許容摂取量限度が決められていなかった.ただ昭和43年に「魚穫された100匹中20匹の魚に1ppmを超える水銀が検出された場合に,精密検査をする」という暫定対策要項が決められただけである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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