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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生38巻10号

1974年10月発行

文献概要

特集 親子 現代親子論

心理学的事例から

著者: 権平俊子1

所属機関: 1日本総合愛育研究所

ページ範囲:P.522 - P.527

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 コイン・ロッカーに乳児の死体が入れられていた.子どもを自動車の中にねかせておき,両親が水泳をしている間に,子どもが死んでいたなど,親が子どもに対して無責任な行動をとって,子どもの命を奪ったような事件が新聞に毎日のように出ている.最近の親は,子どもに対して責任をもたなくなった.親子の情がうすれてきたとなげき,どうにかしなければという識者の声をよく聞く,著者も,こうした事件を聞くにつけ,親がわが子を育てるという当然に思われる行為がうまくいかず,いろいろな問題を起こすということを考えて,なげき,その問題をうまく解決して,親子の幸福を願うひとりではあるが,臨床心理学を専攻していろいろ情緒的に問題をもつ子どもの相談を行なってきた経験から,そう簡単に片づけることのできる問題ではないと思っている.
 親子の問題は,一家庭におけるだけのこととして,簡単に解決できるものではなく,その時代の社会の影響を強く受けていることが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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