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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生38巻10号

1974年10月発行

文献概要

特集 親子

過保護

著者: 平井信義1

所属機関: 1大妻女子大学児童学科

ページ範囲:P.550 - P.551

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 過保護とは,保護の過剰である.過剰というからには,一定の保護の必要量があって,それ以上に保護が行われた場合を言うことになる.そうなると,保護の必要量をはっきりさせておかなければならない.幸い,子どもの生活習慣の形成については,年齢別の状態が示されている.すなわち,衣・食・睡眠・衛生上の習慣などについて,1歳ではどの程度か,3歳ではどうか--などが示されており,普通の子どもであれば,5〜6歳になればほとんどの生活習慣が形成され,子どにまかせることができる.それらの形成の状態より遅れを示す子どもの場合,とくに母親やその他の家族に依存している傾向が認められると,過保護ではないかと疑われることになる.
 過保護とは,どのような態度を指して言われるのであろうか.大別すると,2つになる.ひとつは,子どもの自発的な行動に先がけて,手を貸す養育態度である.例えば,上衣を着ようとしている子どもに対し,子どもにまかせておいても独りでできるのに,手を貸して着せてしまう態度である.従って,そこには,子どもの能力に対する信頼感がない.子どもにまかせられないという心の動きがある.赤ちゃん扱いにしているのであって,強い言い方をすれば,子どもをバカにしている態度と言うことになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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