icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生38巻10号

1974年10月発行

文献概要

特集 親子

老人との同居—老人社会医学的側面から

著者: 田中多聞1

所属機関: 1東京都老人総合研究所

ページ範囲:P.552 - P.553

文献購入ページに移動
 同居を考える いま,老人たちは経済,配偶者との離別,病気などをひどく恐れている.これらは,老年期に特有な生活変化からくるものである.これら老人の三敵は,洋の東西を問わず共通したものである.大社会は三敵にいろんな取り組み方をしている.老年学(ジェロントロジー)をしっかりした基盤に持つ先進国では.経済給付を最優先→老人中心の心情的ケア→コミュニティ,ホームでのケアへの道のりを着実に歩んでいる.私たちの社会では,基本的理論と哲学が極めて曖味なうえに急速度に福祉対策を突き上げられたため,肝心の老人への心情的ケア,ホーム,コミュニティ内での老人ケアを切り捨て老人を無理やりに施設(病院,老人ホーム)に収容する対症療法を行なっている.しかしながら老男はサービス扶養(身の囲りなどの)をもっとも強く望み,老女は経済的扶養を求めている.しかも老男,老女とも家で生き続けたいと望んでいるのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら