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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生38巻3号

1974年03月発行

文献概要

研究

タバコ煙中の有機塩素農薬と人体への移行

著者: 滝沢行雄1 貴船育英1 皆川興栄1 篠川至2

所属機関: 1秋田大学医学部公衆衛生学教室 2新潟県衛生研究所

ページ範囲:P.175 - P.181

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 古来,タバコは,一種の陶酔感を味わう喫煙として薬用や強壮剤に用いられていたが,これを医学的にとりあげてみると,すこぶる困難な問題が内臓されていて,いまだ解明されない事象がすくなくない.タバコの中の麻酔や興奮を誘起する成分はニコチンを主体とするアルカロイドである.その他有害成分としては一酸化炭素,シアン化水素,硫化水素,ヒ素などがあげられるが,ごく微量なので問題にならない.
 ところが,近年タバコの健康に及ぼす影響の研究が進歩し,とくに肺癌との関連が注目される1)ほか,有機塩素農薬や水銀,カドミウムなどの重金属類の混在も指摘されるようになった.しかも,一般に欧州人がタバコを「ふかす」のに対して,日本人ではこれを深く「吸う」傾向があり2),疫学的に重大な意義をもっている.しかし,この分野に関する研究は,依然として具象性に乏しく,かつ,実態調査的であって総合的知見に欠けている憾みがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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