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海外印象記
Amsterdam 市立保健医療サービス(2)
著者: 山中孟1
所属機関: 1大津市医師会
ページ範囲:P.312 - P.314
文献購入ページに移動Amsterdam市においては,保健活動の中でも精神衛生は持に重視されているものの1つである.ここの任務は,個人と社会施設との間の緩衡として働くことであると言う.
精神病患者の入院の要否の選択や指導,アフタケアー,在宅患者の管理などが中心である.アフタケアーとしては,特に退院後身寄りもなく,家庭もなく,世話する人もない患者のために,精神医学的休息所や看護ホームが設けられて将来の社会復帰にそなえている.また市内を5地区に分けて,各地区には1人の精神医と1〜2人の訓練された(social psychiatric treaining)看護婦が任命されていて,予防活動とアフタケアーを行なっている.麻痺性痴呆の予防のため,その早期発見をする目的で特別相談時間が設けられている.1956年には老人の精神障害者を収容するための観察病棟ができた.ここに収容された患者の1/4は元の家庭に帰されて在宅管理をうけ,残りは老人用精神障害者収容ホームや,更に長期のホームに送られている.また,特殊小学生に対する社会的援助を担当する課(Bureau for Social Pedagogical Care)では,精薄のみでなく,身体障害者で普通の学校教育を受け付られなかったものを対象として,社会復帰のための特殊教育を施している.
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