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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生38巻6号

1974年06月発行

文献概要

発言あり

歯をみがく

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.321 - P.323

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効果判定は必要か
 この小文を書くために,2・3の成書や雑誌を調べたのですが,むし歯予防に対する歯みがきの効果は意外にあいまいで,研究も少ないようです.日本中で沢山の人が,むし歯にならないと信じて朝に晩にやっていることが本当に役に立つかわからないと聞くと,びっくりする人が多いと思います.びっくりするよりも怒りだすかもしれません.気の早い人は毎日の歯みがきによって失なわれた時間や労力,浪費した歯みがき剤や歯ぶらしの購入費用を計算して訴訟をおこす準備をするかもしれません.
 われわれの保健医療活動のなかには,既に相当に普及していることでも,効果のはっきりしていないことが沢山あります.偏近視に対する調節筋麻痺剤の点眼効果などは,そのよい例でしょう.また,軽症もしくは中等症の高血圧者に対して降圧剤を服用させることが有効な治療法かどうか,まだよくわかっていないと聞いたならば,びっくりする医師や保健婦も少なくないでしょう.治療の面だけではありません.診断の領域でも同様です.最近,各地でつくられている自動人間ドックなども,沢山の高価な自動機器かコンピューターとセットにされておりますが,そのシステムが本当に被検者に役に立つ検査ばかりで成り立っているかについて十分検討されているとは言えないようです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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