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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生38巻6号

1974年06月発行

文献概要

特集 歯と健康

保健所の歯科衛生

著者: 宮入秀夫1

所属機関: 1東京都衛生局医務部

ページ範囲:P.350 - P.354

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 歯科衛生の歴史において保健所歯科の発足は,国の制度として公衆衛生行政のなかに歯科衛生を位置づけたことの意味は大きい.戦前の公衆歯科活動は,主として学校歯科という組織のなかで行なわれてきたが,昭和23年に新しい保健所法が制定されるにおよんで広く地域住民を対象とする歯科衛生に関する事業が行なわれることとなり,とくに母子歯科保健指導として妊産婦,乳幼児の歯科検診が組織的に実施されるようになったことは戦後の公衆歯科衛生の特色である.昭和27年児童福祉法の改正により歯科医師による母子歯科検診,さらに36年3歳児歯科健診の施行により乳幼児歯科保健の重要性が認識され,さらに予防への関心も高まってきている.これは歯科衛生行政の実施機関として保健所が行なってきた活動によるところがきわめて大きいといえる.しかし新制保健所が活動をはじめて既に25年余,このような制度と事業の推進にもかかわらず,保健所歯科の整備状況はなお不十分な状態であり,今後は保健所の地域保健における役割のなかで保健所歯科の位置づけを明確にして地域包括医療の推進をはかることが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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