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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生38巻7号

1974年08月発行

文献概要

特集 地域保健を担う人々

PT,OTと地域保健活動

著者: 今田拓123

所属機関: 1宮城県拓杏園 2身体障害者更生相談所 3東北大(リハビリ医学,病院管理)

ページ範囲:P.404 - P.409

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PT,OTがなぜ地域活動を指向するか
 近年わが国の理学療法士(PT),作業療法士(OT)の両学会がとりあげる主題の中に地域活動への参加といった内容がかなり重要視される傾向がある.リハビリテーション病院や身体障害者更生施設等,わが国のこれらの施設でPT,OTの不足が深刻な問題として叫ばれているにもかかわらず,何故PT,OTの人達が地域活動に対するアプローチに熱心になりだしたのだろうか,それは決して現在わが国のPT,OTに余力ができたということを意味しない.昭和47年の日本リハビリテーション医学会1)において,現在わが国のPT,OTの必要数は,PT 8,650,OT 10,021としておりその不足数はPT 7402,OT 9666というお話にならないような数字が提出されていることをみても明らかであろう.
 PT,OTはいうまでもなくリハビリテーション医学推進の中心となるべき専門スタッフである.リハビリテーションのアプローチがチームアプローチであり,包括的であればあるほど専門職として地域との関連について意見をもったり,積極的活動を志すのは当然のことである.米国PT協会は1972年に理事会で決定した理学療法従事者の基準2),13)を発表している.この内容は理学療法士の人間的資質,倫理的行為患者管理,管理技術,職種間の関係等9項目を規定しているが,その最後の項目に「地域社会に対する責任」というタイトルをおこし,次のように規定している."理学療法士は,理学療法や保健活動に関することについて,その地域社会にresponsibility責任をもっている".その解説として "理学療法士は地域社会に対して,医療専門職の価値や有益性,そして理学療法サービスの適当な利用を知らせ,理学療法の専門職に新しく入ってくるような計画活動のプログラムに参加しその可能な時はいつも,保健活動や社会奉仕の計画に関した活動にも参加してゆく" と述べられてる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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