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寄稿
徒然草と養生訓—長生き論によせて
著者: 秋山房雄1
所属機関: 1女子栄養大学
ページ範囲:P.510 - P.511
文献購入ページに移動命あるものを見るに,人ばかり久しきはなし.かげろふの夕を持ち,夏の蝉の春秋をしらぬもあるぞかし.つくづくと一年をくらすほどだにも,こよなうのどけしや.飽かず,惜しと思はば,千年を過すとも,一夜の夢の心ちこそせめ.住み果てぬ世に,みにくき姿を待(ち)えて何かはせん.命長ければ辱多し.長くとも,四十にたらぬほどにて死なんこそ,めやすかるべけれ.
編集の方から長生きについて何かといわれて,最初に思い浮べたのは,この徒然草(第七段)の一節であります.しかし,同時に,つぎのような貝原益軒の「養生訓」のことばも考えられたのです.
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