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特集 環境保健教育
医学教育の中の環境保健教育
著者: 野瀬善勝1
所属機関: 1山口大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.25 - P.31
文献購入ページに移動1.人為的環境と疾病
元来,都市は,労働と生産の場であると同時に,いこいと生活の場である.ところが,わが国では明治維新以来,経済優先の思想が強く,近代的な産業を振興させることに重点がおかれて,都市計画の面でも市民生活の場を整えることは,とかくなおざりにされてきた.
また,戦後産業と経済の急速な高度成長に伴って,人口の都市集中化がはなはだしく,土地,住宅の不足,上下水道の不備,道路,交通のマヒ,加えて大気汚染,水質汚濁,土壌汚染,地盤沈下,騒音,振動,悪臭など各種の公害が全国各地で多発し,空気も,水も,米も,牛乳も,魚介類も,その加工品も,野菜類も,殆んどすべての食品が汚染され,人為的な環境によって,人間の健康が集団的に蝕ばまれている.
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