文献詳細
文献概要
特集 地域精神衛生活動
地域精神衛生の世界的動勢と日本の現状
著者: 加藤正明1
所属機関: 1東京医科大学精神医学教室
ページ範囲:P.748 - P.752
文献購入ページに移動コミュニティ精神衛生がピネルの無拘束法とフロイトの精神分析に次ぐ第3の革命であるといわれてから,すでに十数年を経過した.それは監置的ケアから治療的ケアへというグリーンブラットの主張や,病院中心の医療からコミュニティ中心の医療へというかけ声に支えられてきた.欧米でのコミュニティ精神医療ないし精神衛生の過去10年の発展をみても,おのおのの国の医療制度や政治体制に応じ,またその国の内外の政治経済状態に影響されながら,それぞれ独自の発展をしてきたように思われる.ある国では多くの精神病院を廃止し,コミュニティ内のケア・ホームや寮に患者を移したが,その成行きが批判されているところもある.
掲載誌情報