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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生39巻12号

1975年12月発行

文献概要

特集 第16回社会医学研究会 一般報告

演題1〜8

著者: 丸山創1 木下安子2

所属機関: 1大阪府藤井寺保健所 2東京都神経科学総合研究所

ページ範囲:P.862 - P.867

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 現代医療の中で.沢山のパラメディカルスタッフの参加によるチーム医療が行なわれている.しかし,医療機関の状況は,各部門の機能が充実しているとはいいがたい.特に病院経営上メリットのない部門は,人員の配置も不十分で,きわめて不満足な体制のまま放置されている.その代表的なものが看護部門であろう.看護婦不足は社会問題として国会等でも論議されるが,少しも解決されずますます深刻な状況となっている.社会医学研究会において,これらの問題が論じられることは,きわめて当然のことと考えられるが,過去15回までの演題にはあまり見られなかった.今回,看護婦・付添婦の労働条件をめぐる演題が3題あったことは歓迎すべきでありまたこれからも引き続き検討してほしい課題である.
 我が国の医療のもう一つの弱点として,在宅療養患者に対する訪問看護システムの欠如がある.すでにイギリス,北欧諸国等では地方自治体の業務として定着し,国民の権利としてサービス提供が行なわれている.我が国でも社会的機能として位置づけ,発展させる必要がある.社会医学研究会においては初期の段階からこれらに関連した演題は提出されており,ことに1970年,第11回総会では老人保健をめぐる論議の中で,老人に対する訪問看護サービスの重要性が指摘された.また1974年,第14回総会では難病患者の医療・看護に関する演題により,難病患者に対する訪問看護サービスの有効性が論じられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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