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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生39巻2号

1975年02月発行

文献概要

特集 くすりと健康

漢方薬と近代医薬

著者: 升水達郎123 坂本守正4

所属機関: 1城西歯科大学皮膚科 2日大(薬) 3近大(薬) 4城西歯科大附属病院薬局

ページ範囲:P.96 - P.100

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 近代医薬と漢方薬を同一の視点から比較し論ずる事は,その基本的考え方1)を異にしているため大変に難かしい.
 近代医薬も,その出発は,草根木皮から出発したのであるが,18世紀における,Wöhlerによる無機物からのureaの合成2)が端緒となって,有機化学の研究が進み,1858年Virchowが著した「細胞病理学」,Pasteur,Kochらによる,細菌学の業績により,薬物の作用点を,より根源的なもの,例えば細菌への直接作用といった,研究への方向を取るようになった.Sertürnerは阿片からmorphineを抽出し,その後のalkaloid研究の基礎を作り,多くの天然物成分とその誘導体が商品化するに到った.さらにEhrlich・秦によるsalvarsanの創製(1909年)は,化学療法剤の研究へと進み,その路線は現在の抗生物質の製造に及び,多くの感染症を治癒せしめた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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