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特集 地域住民と環境保健
新幹線公害と地域住民
著者: 中川武夫1
所属機関: 1名古屋大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.150 - P.154
文献購入ページに移動1964年10月,東京オリンピックをめざして東海道新幹線は開通した.その後,東京—大阪間が3時間に短縮されるとともに列車本数も1日30往復からしだいに増加した.70年万博からは車輌が12輌から16輌へ増結されるとともに1日100往復を越え,騒音・振動などによる被害は増大した.住民は,国鉄や自治体とかけあっても,どうにもならない現実に直面する中で住民運動への志向を強め,私達のとりくみをも1つのきっかけとして,72年には名古屋新幹線公害対策同盟連合会を発足させた.
そして,1974年3月には,新幹線による騒音振動公害の「差し止め」を求める訴訟を500余名を原告として,名古屋地方裁判所へ提出した.この訴訟は,耐え難い騒音・振動などの公害を10年にもわたって強要し,何らの反省も行なわない国鉄当局に対する沿線住民の怒りの叫びである.
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