icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生39巻5号

1975年05月発行

文献概要

特集 地域看護を考える

地域組織の連携による脳卒中患者の把握と追跡指導の試みから

著者: 横山孝子1

所属機関: 1長野県厚生連佐久総合病院

ページ範囲:P.290 - P.296

文献購入ページに移動
はじめに
 成人病に対する予防と治療の対策については,それぞれの地域で,その実情に応じてさまざまな取り組みがなされています.しかしいずれも,一貫した地域ぐるみの医療や看護にまでいたらず,予防と治療,リハビリテーション,社会復帰という連携組織がないため,地域の保健婦がどんなに身を粉にして成人病検診や事後指導に飛びまわっても,手おくれ患者やねたきり老人が後をたたないのが実状であります.
 医療機関では,入院患者に対して総合看護の必要性を叫びながら,現実には,患者が家庭にもどる時に,退院後の家庭看護や継続的な生活指導が必要であっても,地域(保健婦)への連絡はなく,その病院と患者との関係にとどまっており,患者の意志まかせであります.そして,患者が医療を放置しようと,中断しようと,個人への呼びかけはなく,まして地域の保健婦との積極的な連携による追跡もなされない.いや,現在の医療制度のもとでは,医療機関ではこのような追跡管理などは,財政的にも人員的にもできないようなしくみになっており,予防や啓蒙活動が医療の使命から落されているわけです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら