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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生39巻6号

1975年06月発行

文献概要

特集 食品汚染

公害による食品汚染—メチル水銀,PCBなどを中心に

著者: 野村茂1

所属機関: 1熊本大学医学部公衆衛生学教室

ページ範囲:P.348 - P.356

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 わが国では公害という用語をもって,環境汚染に関する生活妨害や健康障害のみならず,極めて広範囲の問題がとりあげられている."公害対策基本法"では,「事業活動その他,人の活動に伴って生ずる」人為的(man made)な「相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,騒音,振動,地盤の沈下および悪臭」といった常態の自然的,社会的環境を破壊する現象によって「人の健康または生活環境にかかわる被害」を招来するような事態であると,公害行政の対象を規定している.しかしまた,一般社会では,社会生活や健康を阻害するものと公衆が意識するような事態を公害として考えるべきだという見方もある.
 いずれにしても,現実に公害は人為的にもたらされた原因から生じた事態によって人間の生活や健康の阻害を来すという一連のプロセスをもっているのであって,公衆衛生学の対象として疫学的追及を要する人災的な健康障害は,公害に関する問題として,まず,とりあげられることが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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