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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生39巻6号

1975年06月発行

文献概要

特集 食品汚染

食品中の残留農薬

著者: 西村正雄1

所属機関: 1東京歯科大学衛生学教室

ページ範囲:P.357 - P.366

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はじめに
 農薬(pesticide,agricultural chemicals)とは農林作物およびその収獲物を保護する目的に使用する物質であって,その種類も多く,一般に次のように分類されている.殺菌剤(fungicide),殺虫剤(insecticide),殺そ剤(rodenticide),除草剤(herbicide)を主として,その他昆虫の誘引剤(attractant)および忌避剤(repellent),植物成長調節剤(plant growth regulator)なども含まれている.また,一部の農薬のうちから比較的低毒性の薬剤が家庭用などの殺虫剤として使用されているものが多い.
 さて農薬による環境汚染とくに食品中の残留農薬の問題を社会的に警告したのは,1962年Rachel Carsonによってである.その名著 "Silent Spring" をすでに読まれた人も多いと思うが,人に対する農薬使用による自然破壊の警告書であって,この本の扉に次のようなAlbert Schweitzerの言葉が引用されている,"Man has lost the capacity to foresee and to forestall.He well end by destroying the earth." この言葉はとくに食品の汚染,環境汚染に悩む日本にとって,その卓見に感銘する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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