icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生39巻6号

1975年06月発行

文献概要

特集 食品汚染

食品添加物安全性確保のための手続—特に殺菌料を中心として

著者: 藤原喜久夫1

所属機関: 1千葉大学生物活性研究所

ページ範囲:P.367 - P.373

文献購入ページに移動
はじめに
 従来食品に殺菌料として使用されていた,2-(2フリル)-3-(5-ニトロ-2-フリル)アクリル酸アミド(AF-2と略称)の発癌性の実験的証明を契機として,一般に食品添加物の安全性の確保に関する検討がますます厳しく進められるようになってきた.すなわち,1973年国立遺伝研の賀田1)は,大腸菌WP 2 try-株を被検菌として突然変異誘起実験を行い,AF-2に陽性の結果を見出し,発癌の可能性をも推測していたが,当時必ずしも一般には認められなかった.しかしながら,翌1974年国立衛試の池田らが,この物質によりマウスの前胃に腫瘍の発生を認めたと報告されるに至り,食品衛生調査会は,これを食品に使用することを禁止する意見を具申し,その後関係法規が改正されて同年9月から全面的にその製造,使用が停止された.
 本稿においては,このような前例を念頭におきながら,これからの食品添加物の安全性確保のために必要な手続きについて若干検討を試みてみよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら