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調査報告
フローボリューム曲線による呼吸機能の研究(第3報)—準工業地域と住居地域の住民検診成績の比較
著者: 小松五郎1 宍戸昌夫2 杉田暉道2 樋口文夫2 小城原新2
所属機関: 1横浜市旭保健所 2横浜市立大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.407 - P.410
文献購入ページに移動大気汚染は亜硫酸ガス,炭化水素,窒素酸化物,一酸化炭素,浮遊粉塵による複合汚染である.大気汚染の人間集団の健康を障害している状態を明らかにして,被害を最小限度にとどめて妊婦,乳幼児,老人にも適した環境を維持する必要がある.BMRCによる慢性気管支炎有症率の調査が各地で行なわれていて,東京横浜地区ではアトピー素因および喫煙者を含めると5.3%で,非喫煙者のみでは3.3%の有症率であるという1).この調査は被検者の主観が若干入るため,同時に集団検診としての肺機能検査や胸部レントゲン検査を行う必要がある.
1秒率は閉塞性肺疾患の診断のみならず,その程度を表わす指標として広く用いられている.健康者では80%以上を示すのが普通であり2),近年末梢気道閉塞が注目されるようになり,臨床においてはクロージングボリューム測定が他の諸検査に比して喫煙との関係でも優れた検出法であるという3).しかし,大気汚染と人間集団との関係を用量—反応関係から調査しようとする場合にはフローボリューム曲線が適しているので,工場の排煙を主とした準工業地域と自動車排ガスの停滞している自動車道路傍の住居地域住民の集団検診に用いて若干の知見を得たので報告する.
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