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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生39巻8号

1975年08月発行

文献概要

発言あり

注射禍

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.489 - P.491

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体の自主管理と衛生教育
 一般に「薬に副作用は付きもの」といわれる.副作用に対して,病を押える効能をより大きく活用出来る時,はじめて薬の効用が認められる.ところで,「副作用をより低く押える」には,その人の体質や,その時の体調に左右される,それには,薬を投与する前に,投与される側と,する側双方に「注意義務」が課せられる.この「注意義務」のどちらかに誤謬があれば,不幸な事態の発生をさけることが出来ない.昨今話題になっている「注射禍」も,こうした過程の中で発生していることを先ず押えておきたい.
 予防接種等の事故に対する補償問題は,事故の発生結果にのみ固執されがちだが,それは,社会福祉が慈善や恩恵でごまかされるのとよく似ている.もちろん,現実問題をさけて通れとはいわない,社会的にhandicapを背負った人の社会生活を保障する社会的systemは,人権上からも確立されねばならない.が,それと同時に,公害問題等でも明らかにされつつあるように,その「発生源」をいかに断ち切るかを考えねばならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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