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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生39巻8号

1975年08月発行

文献概要

特集 "環境"を考える

人間の環境適応能

著者: 伊藤真次1

所属機関: 1北海道大学生理学

ページ範囲:P.501 - P.503

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 人類がはじめて出現したのは今からおよそ100万年前で,オーストラロピテックスと呼ばれるサルと人間との中間のものがそれであるとされている.彼らは石器をつくり,火も使ったらしい.この動物の化石はアフリカで発見されている.しかし,アフリカでは200万年くらい前の人類の化石も発見されたというから,あるいはこれが最初の人類であるかも知れない.もう少し新しいのはジャワ島で発見されたピテカントロプスと中国の北京の近くで発見された北京原人で,これらはおよそ50万年前に生きていた.また,ネアンデルタール人と呼ばれるものは,今から十数万年前にヨーロッパ,中央アジアおよび北アフリカにひろく住んでいたらしい.しかし,これらの人類が現在の人間の直接の祖先であるとはいえない.現在の人類と同じクロマニヨン人は今から約5万年前から約1万年前までの時代にヨーロッパに住んでおり,彼らは氷河時代に洞窟の中に起居し,狩猟生活をいとなんでいた.
 その時代はいわゆる大氷河時代で,北半球の陸地のかなりの部分が氷河でおおわれており,ことに北アメリカ大陸の北半分,ヨーロッパの北半分,シベリアの大部分が数十メートルの厚い大陸氷河におおわれていた.しかし,この時代の地表の温度は極端に低いわけでなく,熱帯地方で現在より約5℃,温帯地方ではおそらく10℃くらい低かったものと推測されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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