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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生39巻8号

1975年08月発行

文献概要

特集 "環境"を考える

老年期と環境の関係

著者: 大和田国夫1

所属機関: 1大阪市立大学医学部衛生学公衆衛生学教室

ページ範囲:P.516 - P.521

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はじめに
 外部環境の変動に対する内部環境の恒常性は生体がもつ重要な性質であると約1世紀前にClaude Bernardは述べた.そしてこの内部環境の恒常性こそ,自由な生命,いいかえれば健康の条件である.従って,健康の維持には内部環境の恒常性が必要であり,ひいては外部環境が健康に対し重大な鍵を握っていることを意味している.他方,生態学的にみると,人体の健康状態は宿主(host),病因(agent),環境(environment)の3要因の相互関係によって決定されるから,このバランスがくずれることにより,健康の破綻を来たすことになる.ここにいう病因も広い意味では環境の一部をなすものであるから,人体(健康)にとって環境は重要な要因であることがわかる.
 一般に環境とは,ばく然と生物あるいは無生物の周囲にあるすべてのものを意味し,とくに人間生態学では人間をとりまくすべてのものであって,この環境と人間との相互関係を研究する科学であるから,とくに健康の維持・増進や健康の阻害・破綻との関係を重要視している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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