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特集 "環境"を考える
公害の経済学
著者: 市川洋
所属機関:
ページ範囲:P.535 - P.539
文献購入ページに移動日本は狭い国土に多くの人々がひしめきあっていると言われている.これは統計によって確かめる必要がある.「国際比較表」(表1)は世界主要各国のうち,必要な数字の得られているものの,おもなものを示したものである.この表の重点は,面積1平方キロメートル当りの国民所得および人口である.
全国土当り人口密度は,日本の1平方キロメートル当り人口は279人で,オランダの318人,ベルギーの312人より1割強少なくなっている.最も人口密度の低い国は,この表ではカナダであって,1平方キロメートル当り2人であり,この人口密度は日本の100分の1以下である.さて,日本は山岳地帯が多くて,可住地域が少いと言われている.この実情は国際比較表の「可住地域比率」により明らかにされる.ここで言う「可住地域」とは,国連統計上「森林」に分類されている土地を除いたものであり,実際の可住地域よりも範囲が広いと考えられるけれども,日本の状態をかなり明らかにすることができる.
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