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原著
流行性肝炎について—承前
著者: 北岡正見1
所属機関: 1豫防衞生研究所
ページ範囲:P.313 - P.322
文献購入ページに移動本病が一種の濾過性病毒により惹起されるであろうことは,患者からの細菌分類が陰性であること,血液像が他の濾過性疾患のそれと一致すること,患者の血液,糞便のBerkefeld濾液を以つて人體實驗が陽性となること,その濾液を普通培養基で培養しても何等の細菌も發育しないことから明かである。我國では,本病を以て感冒の一異型であると稱える學者が多い。外國でも,Williams,Gloverの如く,本病と流感を結びつけて考るものもある。本病の急性期が如何にも感冒と酷似してゐるため,この様な錯覺を起すのであろう。著者の成績に依れば,本病原體は一種の濾過性病毒に屬し,早期血液(急性期,黄疸期の初め)竝に恢復期の口腔液或は恢復期の尿の中に排泄される。
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