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論説
性病豫防法の公布に際して
著者: 野邊地慶三
所属機関:
ページ範囲:P.323 - P.324
文献購入ページに移動New Yorkの衞生局長として命名のあつたThomas Parran氏は,其共同作業者と共に行つた徹底した性病の疫學的研究に基いて性病は其の感染追跡によつて傅染源を發見し,之に豫防的治療を加えて非傳染源化することによつて共の根絶が期されるものとなし,社會衞生と云ふ擬態の下に行はれた從前の微温的性病豫防事業に挑戰し,本病は急性傳染病封策と同一方法に從つて民衆に本病の實態を教え白日の下に之と戰ふべきものであることを主張したのであつた。後に全米國の衞生事業に聲令を行ひ得る連邦衞生局長に就いた時氏は全米國を性病の浄土とする理想を高く掲げ,連邦衞生事業の焦點を性病豫防に置いたのであつた。
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