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性病豫防法について
著者: 中原龍之助
所属機関:
ページ範囲:P.356 - P.358
文献購入ページに移動戰爭と性病の蔓延はつきものであつて,昔から幾多の事實が之を明に示してゐるところであり,且つ又殊に敗戰といふ極めて最惡の條件の下にあつて道義の低下と人心の混亂,經濟的窮乏は性病の蔓延に最適の培地であり,この際適切な處置をとらなければ悔を千載にのこすことは明瞭である。最早單に賣笑婦のみの對策に於ては效果があげられないのである。このため終戰後連合軍最高司令部の覺書にもとづき昭和20年11月22日花柳病豫防法特例が制定せられた。こゝに於て性病は傳染病としての取扱ひの下に届出制が定められ,性病患者に對しては強制治療命令も出し得るよう一般國民の性病の豫防について一應取上げられたが,しかし依然として業態者の對策が主たる部分を占めていて不完全なものであつた。
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