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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生40巻11号

1976年11月発行

文献概要

特集 アメリカ公衆衛生200年

医学教育の改革

著者: 吉岡昭正1

所属機関: 1順天堂大学・医学教育

ページ範囲:P.768 - P.775

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I.はじめに
 米国の医学教育を歴史的に眺めてみるといくつかの転換期が見出される.第1の転換期は,英国への留学から帰国した人たちによって,欧州型の初めての医科大学が創設された18世紀後半である.ペンシルバニア大学の前身であるフィラデルフィア大学医学部(1765年),コロンビア大学の前身であるKing's College(1767年),ハーバード大学医学部(1783年)等が,米国の草分けの医学校であることはよく知られていろ.これは医学教育の脱植民地化を意味していた.
 第2の転換期は,19世紀後半から20世紀初めにかけての,自然科学に立脚した木格的な医科大学への改革期である.19世紀に入って急速に発展する米国社会に応ずるには,あまりに医師が不足していたため,粗悪な医学校が乱設され,Daniel Drakeが「農民・工員より脆弱で,弁護士としては愚かで,説教をするには不品行な」と嘆いたような人たちが,きわめて短期間の不十分な教育を受けただけで,厳密な免許試験もなく医師になっていった.この間,合計457校の医学校が興亡したという1)2).これと並行して,医学教育を改革しようとする活動もいくつかあったが,大きなエポックを画したのは1876年のジョンス・ホプキンス大学の設立と,1910年のフレクスナー報告の2つである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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