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特集 医学教育の中のコミュニティ・ヘルス
医学教育におけるコミュニティ・ヘルスの位置づけ
著者: 山本幹夫1
所属機関: 1帝京大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.233 - P.238
文献購入ページに移動健康に関するわが国の医学教育を考えるに当たっては,まず国民が直面している保健問題の現状と予測にたって,医学教育の現状と必要とする変更の方向を見定める必要がある.私たちは,1956年以来の数次にわたる地域社会における実証研究13)17)18)や,1965年以来の多変量解析を用いた国民の健康に関する生態学的研究19)22)31)32)33)によって,この方面に関する多くの問題を提起してきたが27)28)29),ここでは,わが国をふくむ先進諸国の保健問題の将来を予測するため行われた,スイス国セルビー(Selby 1974)による国際研究をまず紹介する.セルビーの研究9)は,わが国をふくむ19ヵ国からの62名の関係分野の専門家によるデルフィ法を用いた分析とシンポジウムなどに基づくもので,1990年までの約15年間についての,欧米先進諸国を中心とした保健予測で,その結論の主要点を摘出すると次の通りである.
(1)保健の概念としては,広義の予防医学や地域医学(community medicine),環境衛生に重点が移ってゆくであろう.
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