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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生40巻4号

1976年04月発行

綜説

金属中毒と感染

著者: 三浦悌二1

所属機関: 1帝京大学医学部衛生学

ページ範囲:P.276 - P.286

文献概要

はじめに
 金属中毒は,公衆衛生の面で近年特に重要な問題となったものの一つである.それは,水俣病とイタイイタイ病とで代表されるように,日本でだけ特に大規模な発生をみたことからも,日本ではその対策と研究とに特別の熱意をもたなければならない運命にある.その対策については,それが歴史的にみても大きな社会問題の一つとなり,日本における近代産業のあり方についての問題を提起し,その姿勢を正させ,日本の高度成長政策に対しても深刻な反省をもたらしたことは周知のごとくである.
 水俣病などについては,特定の汚染源をつきとめ,それを処理したことにより,当面は患者の発生をくいとめることに成功はしたものの,金属汚染全般の進行については,近代文明そのものの責任を問うことともなり,その対策は将来ふたたび大きな問題となりうるものであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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