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特集 公衆衛生への提言 政策・行政
"公衆による衛生"を考える姿勢に向けて
著者: 松原治郎1
所属機関: 1東京大学教育学部社会学
ページ範囲:P.527 - P.528
文献購入ページに移動公衆衛生とは,組織化された社会的努力を通じて,疾病を防止し,生命を延長し,また肉体的ならびに精神的能率を高める技術であるといわれている.門外漢がこういうのはおこがましいが,この「組織化された社会的努力」というときの努力の主体は,行政機関や医療機関であるというよりは,生活者それ自身なのではないかと思う.行政機関や医療機関は,生活者の主体的な自己を組織化することを通して展開させる疾病の予防や生命の延長の努力に対して,指導や技術的援助をするにすぎないもの,といわなければならない.
事実,公衆衛生の分野は,早くから「コミュニティ・オーガニゼーション」や「コミュニティ・インヴォルメント」といった地域保健活動の方式を開発し,地域住民を主体にし,その人々の活動と参加によって公衆衛生の実を挙げる,先駆的な仕事をしてきた.
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