icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生41巻10号

1977年10月発行

文献概要

資料

個人を対象とした栄養指導・教育の実際—"個人別食事指導基準値"算出の一試案

著者: 伊達ちぐさ1 田中平三1 馬場昭美1 植田豊1 林正幸1 大和田国夫1

所属機関: 1大阪市立大学・衛生学公衆衛生学教室

ページ範囲:P.716 - P.722

文献購入ページに移動
はじめに
 栄養指導・教育の目的・理念は,①栄養知識の理解,②栄養に関する態度の変容,③栄養に関する行動の変容,の3つに分けられる1).栄養指導・教育は,個人を対象とするよりも集団を対象とする方が,経費,労力,時間の点から考えてはるかに能率的であるとされている2)が,これは,目的・理念の①および②を重視した立場からの観点で,もっとも重要な③の行動の変容(実行あるいは実践)を達成するには,個人を対象とした栄養指導・教育もまた重視しなければならない.個人の栄養状態(食事調査,身体計測,生化学的検査,臨床症状から判定する),嗜好さらに経済状態,家庭内における役割などを考慮して,その人にできるだけふさわしい食生活を指導しなければならない3)
 また,病院の外来を訪れたり,入院している患者,保健所のクリニックにくる妊産婦,乳幼児,高血圧や糖尿病などの成人病の管理対象者などに対しては,一般的な教育を行ってもだめで,それぞれの人の相談相手となり,個人の持っている問題点を解決し,それが実行されるような教育をしなければならない3).たとえば,ある高血圧および動脈硬化症の患者が,脂肪を1日あたり30gしか摂取していないにもかかわらず,一般論がそのまま取り入れられて,「脂肪の制限」を勧告されているのもよく耳にする話である.このように,個人を対象とした栄養指導・教育のニードは,近時,急速に高まってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら