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発言あり
住民参加
著者: の む を く ゐ
所属機関:
ページ範囲:P.81 - P.83
文献購入ページに移動私が現在の保健所に着任したばかりのころ,「奥能登の保健医療の特殊性と問題点」と題し,医師会代表,市町役場・保健所の各責任者が発言者となり,助言者として斯界の権威者の一人であるNGの参加を頂いて,シンポジウムと称する会合を持った.この企画を知ったある人から,発言者の中に住民代表がいないではないか,という指摘を頂いた.
たしかに,その方のおっしゃる通りである.しかし,一言でいえば,適当な発言者が見つからない(いないといっているのではない)のである.この人ならば自分の意見を,声を大にして主張してくれるだろうという人がいても,その人の意見が本当に「住民の意見」といえるのかどうか.宮本憲一のいうところの「草の根保守主義」の根っこだけの意見では,新鮮味がないし,聞いている方も幾分かの割り引きをしなければならぬとも考えられる.一方,この人ならば極く普通の住民としての意見を聞けるのではないかと思われる人がいても,そのような人はあまり保健所なんぞには関心がない.無理に発言をお願いするとすれば,むしろこちらの方から挺子入れか,お膳立てをしなければならない.そんな事では,何のための住民代表かわからない.
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