icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生41巻6号

1977年06月発行

文献概要

特集 食品衛生行政

食品衛生行政の一側面—消費者保護の立場から

著者: 宗像文彦1

所属機関: 1国民生活センター

ページ範囲:P.386 - P.390

文献購入ページに移動
I.はしがき
 最近,食品をめぐる保健衛生上の諸問題が,関係専門家の間で熱心に議論されているだけでなく,テレビ,ラジオ,新聞,雑誌などを通じて一般大衆にも情報として大量に提供され,その日常生活にも良かれ悪しかれ少なからぬ影響を及ぼしている.
 従来,食品に関する保健衛生上の中心課題は,急性胃腸症状をひき起こす細菌性食中毒についてであったが,今日では,食品添加物,残留農薬,環境汚染物質などの化学的物質による障害,とくに長期間にわたる摂取によって起にると思われる発がん性や遺伝に対する影響などが注目されている.このにとは,食品に化学的物質が介在あるいは混入したために起こった水俣病,森永ヒ素ミルク事件,カネミ油症事件などによって,次第に重要視されてきたものであり,食品以外でも,胎児に影響を及ぼしたサリドマイドなど医薬品の副作用問題,化学的物質が介在する公害問題などが社会的関心をたかめ,保健の観点から化学的物質全般についてきびしく見直すという傾向をつよめている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら