文献詳細
特集 戦後30年の公衆衛生と私
文献概要
■はじめに
戦後30年間のわが国の公衆衛生の発展を医学教育の面から回顧するとなると,最も重要なことは,医学教育に,従来の衛生学講座に加えて,公衆衛生学講座が新設されたことであろう.
しかし,医師を養成するのに衛生学講座一つでは不十分で,第2講座増設が必要であるとの意見は,すでに大正末期から昭和の初期にかけて東大医学部から出されており,最近話題になっている国崎定洞氏が教授候補者とされていたが,思想問題がからんで実現せず,講座名が「社会」衛生学となっていたため,当局ににらまれ実現しなかった.
戦後30年間のわが国の公衆衛生の発展を医学教育の面から回顧するとなると,最も重要なことは,医学教育に,従来の衛生学講座に加えて,公衆衛生学講座が新設されたことであろう.
しかし,医師を養成するのに衛生学講座一つでは不十分で,第2講座増設が必要であるとの意見は,すでに大正末期から昭和の初期にかけて東大医学部から出されており,最近話題になっている国崎定洞氏が教授候補者とされていたが,思想問題がからんで実現せず,講座名が「社会」衛生学となっていたため,当局ににらまれ実現しなかった.
掲載誌情報