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文献概要
特集 予研30年の歩み—伝染病の推移
日本脳炎
著者: 大谷明1
所属機関: 1国立予防衛生研究所ウイルス=リケッチア部
ページ範囲:P.568 - P.568
文献購入ページに移動予研が設立されたのが昭和22年5月21日,その翌年の昭和23年夏には,全国の日本脳炎患者報告数4,757人(罹患率,人口10万人当たり5.9)という大流行が起こった.その2年後の昭和25年夏には患者数はさらにふくれ上がり,5,196名(罹患率6.2)に達した.日本脳炎の制圧が,発足後間もない予研の最重点課題の一つになったのも,故なしとしない.
当時予研では,細菌第1部(安東清部長)とリケッチア・ウイルス部(北岡正見部長)が,日本脳炎を研究課題として取り上げていた.前者では主として患者の診断技術の開発,後者では疫学と予防を主とした研究活動が行われていた.この頃には日本は米軍の占領下にあり,当然のことながら日本脳炎はアジアの地方病として彼らの脅威であり,疫学および予防への積極的な研究活動が米軍406研究所を中心に行われ,予研も彼らと協力態勢を組みながら進んだのであった.
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