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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生41巻8号

1977年08月発行

文献概要

特集 予研30年の歩み—伝染病の推移

結核

著者: 室橋豊穂1

所属機関: 1国立予防衛生研究所結核部

ページ範囲:P.571 - P.571

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予研創設後の10年間■
 「結核予防法」が制定されて,結核検診とBCGによる結核予防接種が全国的に行われるようになったので,診断用旧ツベルクリン(以下「ツ」と略す)液の製法と力価の標準化,「ツ」反応判定基準の設定・確認と普及,凍結乾燥BCGワクチンの製法の改善と品質管理のための研究などに力が注がれ,全国的に統一された方式による結核予防対策が講ぜられるようになった.
 他方,ストレプトマイシン,イソニアチッド,パスなどの登場は,結核治療方式に一大革命をもたらしたが,これらの薬剤ならびに相次いで開発,登場が予測される治療剤に対する結核菌の感受性試験法の標準化や,製剤として実用化に至るまでに必須なスクリーニング方式などが研究されて,以後の新薬登場への大きな備えとなった.カナマイシンも,このような時代に誕生し,その有効性が我々の手で確認された.また,結核と癩との関係が研究され,レプロミン反応の判定基準の設定,BCGの癩予防効果の証明などが行われた.したがって創設後の約10年間は,主として旧「ツ」および凍結乾燥BCGの研究,結核化学療法の基礎的研究,結核および癩に関する疫学的研究に重点がおかれていたといえるであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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