icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生41巻8号

1977年08月発行

文献概要

特集 予研30年の歩み—伝染病の推移

麻疹・風疹

著者: 宍戸亮1

所属機関: 1国立予防衛生研究所麻疹ウイルス部

ページ範囲:P.572 - P.572

文献購入ページに移動
予防対策の施行は最近■
 麻疹および風疹は,小児の伝染病として古くからその存在が知られている.その病原体はヒトの社会に長く定着して生存しつづけてきたが,それに対する特別の予防対策はほとんどとられていなかった.ヒトは麻疹に対して感受性が高く,90%以上のヒトは顕性に発病するが,小児にとっては麻疹は決して軽い病気ではない.風疹は「3日はしか」ともいわれ,臨床的には麻疹によく似ているが,症状はそれよりははるかに軽い.病原学的には両者は全く違った病気であるが,それが明瞭に区別できるようになったのはむしろ最近で,それは,最近になってようやく両者の病原体(ウイルス)が確実に分離,培養できるようになったからである.したがって,病気の血清学的診断,予防接種など,これらの病気の予防対策が実際的に行われるようになったのも,極めて最近のことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら