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特集 脳卒中予防
わが国における脳卒中の現状とその対策
著者: 田中喜代史1
所属機関: 1厚生省公衆衛生局結核成人病課
ページ範囲:P.606 - P.612
文献購入ページに移動今日,わが国において国民死因の順位は,1位脳卒中,2位悪性新生物.3位心臓病となっており,表1のように脳卒中は昭和26年に,それまで長らく死因のトップであった結核に代わって第1位となり,現在に至っている.また,28年に悪性新生物が2位に,33年に心臓病が3位になった.昭和50年には,これら3疾患による死亡が全死亡の中で占める割合は58.3%となっている.特に脳卒中による死亡者数は,昭和50年には17万4,367人をかぞえ,全死亡の約4分の1に当たる24.8%を占め,表2でみるように,全死亡中に占める割合は,昭和10年の9.9%,25年の11.7%,30年の17.5%と比べると,著しく増加している.
しかし,人口10万対の死亡率でみると,昭和40年代の175.8をピークに漸減の傾向を示しており,昭和50年には死亡率は156.7となった.また昭和10年の人口を基準とした訂正死亡率でも,昭和26年人口10万対121.7,昭和40年同133.5,昭和45年同118.9,49年同99.8と減少傾向を示している.年齢別では,昭和50年には30歳から69歳までの死因のトップが悪性新生物となっており,40歳から69歳までの2位が脳卒中となっている.そして,70歳以上のトップは脳卒中である.
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