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調査報告
静岡県大井川流域の宮崎肺吸虫の分布とその中間宿主の調査について
著者: 佐野基人1 石井明1 望月久2 秋山雅晴3
所属機関: 1浜松医科大学寄生虫学教室 2静岡県衛生研究所 3静岡県島田保健所
ページ範囲:P.654 - P.656
文献購入ページに移動従来,日本に分布する肺吸虫には人間を終宿主とし,モクヅガニを摂取してかかるウェステルマン肺吸虫(ウ肺虫)と,サワガニやベンケイガニを介して動物を終宿主にしている大平肺吸虫,宮崎肺吸虫および小型大平肺吸虫等が知られている.サワガニは日本各地で広く食用に供されていることから,サワガニに由来する宮崎肺吸虫の人体感染が憂慮されていた.
ところが,最近,宮崎肺吸虫の人体寄生例が,林らによってはじめて報告された(1974).これで日本における人体寄生肺吸虫は2種になったわけであるが,この宮崎肺吸虫症の感染源は静岡県産サワガニであり,その生食によって発症したことも,林らによって指摘された(1974).その後,本症患者は山梨県や京浜地方でも多く見出された(横川ら,1974)が,いずれも,静岡県産サワガニを購入生食して感染したということである.
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