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連載 図説 公衆衛生・13
老人保健の現状と課題
著者: 安西定1 高原亮治2 川口毅3
所属機関: 1国立循環器病センター・運営部 2厚生省保険局医療課 3栃木県・保健予防課
ページ範囲:P.1 - P.4
文献購入ページに移動昭和38年の老人福祉法の基本的理念は,「老人は多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として敬愛され,かつ健全で安らかな生活を保障されるもの」であり,老人がいわゆる健康で快適な生活を送る権利を有することを認め,その責任を本人と国および地方自治体にあることを明確に示したものである.さらに,具体的な福祉事業を,①健康診査,②老人医療費の支給,③老人ホームへの収容,④老人家庭奉仕員による世話,⑤老人クラブ等の設置促進,などを打ち出したもので,以後,日本経済の高度成長に伴って老人福祉制度も急速に拡充強化され,昭和47年には70歳以上の老人医療費の無料化制度が全国的にスタートし,一部の地方自治体では所得制限の徹廃や対象年齢の引き下げなどが実施され,老人福祉対策が大きく前進した.しかし,その後オイルショックに端を発した世界的な経済不況は,わが国にも深刻なインフレ状態をもたらし,老人福祉対策の見直し論が一部にささやかれている今日である.
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