文献詳細
文献概要
発言あり
コレラの侵入
著者:
所属機関:
ページ範囲:P.749 - P.751
文献購入ページに移動コレラという名前は忘れてはいないが,もう身辺からは遠ざかったものと考えていた.ところが最近になって,「コレラ騒ぎ」(文字通り"騒ぎ"であるが)というものを見,聞きするにつれ,いろいろ考えさせられる点が多い.
和歌山のコレラ騒ぎのときのことである.ある大新聞の記者や写真班の人達も,どっとコレラ汚染地区にくり出して行った.ところが,である.それらの人達が,その地域に入っただけで,あたかもコレラに感染したかのように大騒ぎをし,しかも,今行って来たから予防注射をしてくれ,という.これらの人達は,コレラについていろいろの記事を書いている人達であるだけに,驚いてしまう.コレラについて勉強している(?)はずの人達ですら,こんな程度なのである.
掲載誌情報