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特集 第19回社会医学研究会総会記録 シンポジウム
公害・薬害・有害食品等健康被害者の医療援護・復権をめぐる諸問題
著者: 東田敏夫1 山下節義2
所属機関: 1関西医科大学・公衆衛生 2京都大学・公衆衛生
ページ範囲:P.755 - P.764
文献購入ページに移動もともと,健康被害者の復権と償いには,「加害者完全負担の原則」はもちろんのこと,「原状回復の原則」が貫徹されねばならない.すなわち「元の身体に返す」こと,「人間らしく生きる権利を取り戻す」こと,少なくともそれにふさわしい,可能な限りの医療援護と生活保障が,「被害者優先の原則」によって,生涯にわたって保証されなければならないはずである.それは,被害者らの侵された健康権,生活権,幸福追求権を取り戻すために必要・不可欠な要件であり,低水準の現行社会保障制度によって代替し得るものではなかろう.
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