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特集 第19回社会医学研究会総会記録 要望課題 地域保健医療における公的責任と保健医療従事者の役割
(その2)保健医療従事者の役割と住民参加のあり方をめぐって—(演題8〜11)—自治体保健医療従事者の地域活動
著者: 山本繁1 乾死乃生2
所属機関: 1京都府衛生部 2大阪府立羽曳野病院
ページ範囲:P.772 - P.774
文献購入ページに移動○新津ふみ子・加藤登志子・横田喜久恵(新宿区立区民健康センター)
東京都における訪問看護事業は,東京都が訪問看護事業助成制度を開始させて以来,急速に発展し,昭和53年度では,10区6市がこの事業を実施している.その実施状況を分析してみると,この事業を衛生行政の中で位置づけ,当初から看護職が参加し,企画・実施において総括的役割を担っているところでは,資料・統計が整い,訪問看護による援助が内容において評価され,今後の展望への足がかりができている.しかし,他のところでは,概して,この反対である.
また,この事業に参加する保健婦,潜在看護婦の役割分担とその考え方については,継続性というより,即時的・具体的指導やサービスは潜在看護婦の業務とし,保健婦はそれらの看護婦に対する指導的役割あるいは他機関との調整役となっている.これらの考え方は,今後この事業が住民の看護ニーズに効果的・有機的に対応できるのか疑問を生むところであり,これを単に保健婦事業として規制せず,看護職全体の問題としてとらえていくことが重要であろう.開業医(医師会)委託の場合,開業医の現状からして,自ずと看護職の主体的参加は不足し,医師による援助のみに限定されていることを懸念するものである.
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