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文献概要
特集 公衆衛生院40年の歩み 公衆衛生院における研究の動向
衛生統計
著者: 臼井竹次郎1
所属機関: 1国立公衆衛生院衛生統計学部
ページ範囲:P.241 - P.245
文献購入ページに移動統計学を英語で"statistics"という.この"スタティスティク"という言葉をはじめて使ったのは,ゲッティンゲン大学の政治学教授アッヘンヴァールだった(1749年).いわゆる国状学で,各国の領土,人口,産業などを言葉で説明しており,統計数字はほとんど使っていない.それがイギリスへ輸入されて,国状学の意味から次第に国家・社会の状態の数字による記述の意味に使われ,さらに生物現象や自然現象の数量的記述の意味にまで使われるようになった.
幕末から維新には日本にも輸入されたが,スタティスティクを最初に福沢諭吉が"政表"と訳し,それから表記・綜記・形勢・国勢・知国・製表などいろいろな訳語が使われた.明治7年(1874年),箕作麟祥が"統計(学)"と訳したのがはじめで,次第にこれが使われるようになった*1).
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