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連載 図説 公衆衛生・18
伝染病対策の現状と課題
著者: 安西定1 柳川洋2 高原亮治3 川口毅4
所属機関: 1国立循環器病センター運営部 2自治医科大学公衆衛生学教室 3厚生省保険局医療課 4栃木県保健予防課
ページ範囲:P.349 - P.352
文献購入ページに移動伝染病が流行するためには感染源,感染経路,感受性の3要因がそろっていることが必要条件である.最近,新聞・テレビで報道されている川崎の河川で発見されたコレラ菌騒動も,コレラ菌が人の口に入るまでの感染経路やコレラ菌の病源性,ならびにコレラ菌に対する人の感受性などの条件がそろわなければ必ずしも流行に結びつかないことを物語っている.このほか,最近話題になっている伝染病のラッサ熱やマールブルグ病などのように,アフリカの一部の地域の伝染病が交通網の発達や輪人動物などにより,免疫を全くもっていない開発国にもちこまれ,死亡者を出した例があげられるが,にのことは今後,国際的視野に立った伝染病対策が必要なことを教えている.
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