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海外事情
タイにおける地域保健計画の発展と最近の動向
著者: 松田正己1 丸地信弘1 田中恒男1
所属機関: 1東大医学部保健管理学教室
ページ範囲:P.392 - P.399
文献購入ページに移動世界における最近の保健活動では,計画性・地域性の重視が注目を集めている.これらは,限られた資源の中で地域特性に適した保健活動をより効果的に展開しようという認識に基づいている1)2)3).ところで筆者らは1977年1月,タイにおいて「東南アジア諸国の地域保健計画と保健情報」に関するミーティングに参加したが,東南アジアの開発途上国が保健計画や地域保健活動に寄せる関心の高いことを痛感するとともに,各国で現在進行中の地域保健計画の中に幾つか新しい試みが含まれていることを学んだ.それは保健サービスの総合効率化,そしてボランティア活用による保健マンパワー不足の解消,住民参加の促進等である.
ところで,筆者らは上記のミーティングに先立ち,その一環としてタイ北部のChiangmai Province(県に相当)で主題に関するフィールド・サーベイに参加し,タイの地域保健計画およびその活動の実際に触れる機会を得たことから,同国における地域保健計画に深い関心を寄せるようになった4).そこで,本稿ではそれら具体例も含め,タイにおける地域保健計画の発展と最近の動向を考察し,その概要を紹介したい.
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